屋内実験
雨の日でも虹が見られる?

プリズムを通り抜けた太陽光線が七色に分かれるのは「太陽にはもともと赤から紫までの可視光線が含まれているから」ということになります。それでは太陽と同じような波長の光源があれば、雨の日でも人工の虹を作ることはできるのでしょうか。
かつて日本各地で開かれていた科学実験イベントでは、会場に「暗室」を作り、室内の壁や天井には虹ビーズを付着させた黒い模造紙を貼ってスクリーンとし、「人工太陽」となる光源でスクリーンを照らすことで来場者に人工の虹を見せる催しがおこなわれていました。当初、この「人工太陽」は光と共に熱を発するハロゲンランプなどの電球でした。特に夏のイベントでは蒸し暑い暗室の中で電球を灯すので、ちょっとしたサウナ風呂状態だったところもあるようです。

日本人科学者によって青色LEDが発明され、それがさらに発展して白色LEDとなったのは1990年代のことです。その後、白色LEDはろうそく、白熱灯、蛍光灯につづく「第4のあかり」として私たちの生活に欠かせないものとなりました。
今は製造されていない「白熱電球」と同じ形状で中身はLEDという「LED電球」を使って室内で人工虹を作ってみましたが、光量が不足しているため、うっすらとした虹しか見えませんでした。

そこで、白色LEDを光源としたペンライトを使ってみることにしました。家庭用のLED電球と違って照射される光には指向性があるので、任意の場所をより明るく照らすことができます。
