原理と仕組み

17世紀のヨーロッパではガラス製の三角プリズムの中を通った太陽光線は七色にわかれることが知られていました。当時の人々はプリズムには光に色を付ける働きがあると思っていたようですが、イギリスの科学者アイザック・ニュートンは、太陽光線はさまざまな色の光が集まったもので、プリズムの中を通るとき「光の屈折・分光」が起き、太陽光線は七色にわかれることを実験によってたしかめました。この実験は「世界一美しい物理実験」と呼ばれています。

プリズムによる光の屈折・分光
光の色(波長)によって屈折率がことなるためプリズムの中を通った光は七色に分かれる


 

雨上がりの大気中には無数の小さな水滴が浮かんでいます。この水滴に太陽光線があたると、水滴の中ではプリズムと同じように屈折・分光が起き、水滴から出てきた光は七色にわかれています。これが私たちの目には「虹」として見えるわけです。

※水とガラスでは屈折率がことなります。
 水滴の場合、赤い光は屈折率1.33で42度、ガラス(屈折率1.5)の場合は約23度になります。

もし雨上がりの空の水滴とおなじように光を屈折・分光させる透明なビーズがあれば、人工の虹が作れるのではないか、というのが「虹スクリーン」のアイデアです。